飢餓をなくすために考えるべきこととは?

飢餓がなくならない一方で大量生産され大量破棄される食ロス
沢村愛弓

物理的に食料が不足することで、「食べること」に不自由を感じない日本や先進国において、途上国を中心に続く「飢餓」の問題はなかなか実感しづらいものです。今回は、飢餓とはそもそもどんな状態なのか、世界の現状や原因などを順に見ていき、最後に個人での解決に結びつく方法をご紹介していきましょう。

目次

飢餓の定義

まず、「飢餓」とはそもそもどんな状態を指すのでしょうか?一般的に飢餓の定義として年齢や性別、体格などの細かな違いはありますが、以下の状況が当てはまる場合を指します。

・長期にわたり食事ができず

・必要なカロリー摂取が不足

・栄養失調などの体調不良をきたしている

これらの状況が合わさり、生命の維持や活動が困難であることが当てはまります。

世界の飢餓

飢餓には大きく「突発的な飢饉」と「慢性的な飢餓」として区別されています。

概要としては以下の通りです。

突発的な飢饉

紛争をはじめ、洪水や干ばつ、地震といった自然災害による突発的な原因による飢餓です。短期間に多数の餓死者が出る危険がある緊急性の高い状況を指します。

慢性的な飢餓

食料の生産性の低さや労働者の低賃金、公平性を欠いた貿易といった、国や地域における生活インフラに関わる問題が原因で発生している飢餓の連鎖を指します。何世代にもわたり続く場合もあり、満足のいく食事がとれないことによる栄養失調や感染症により死亡する子供も少なくない問題です。

人道支援機関「国連WFP」によると、2022年現在において慢性的な飢餓に苦しむ人々の人数は世界に8億1100万人とされています。また、2019年以降突発的な飢饉の人数が1億3500万人から2億7600万人へと増加しています。

これは新型コロナウイルスよる影響が世界の生産や流通に打撃を与えたことで、食料支援が回らないことが原因とみられています。

飢餓が生まれる原因とは?

止まらない世界の飢餓は、具体的にどのような原因で発生しているでしょうか?

代表的な例を3つご紹介します。

自然災害による影響

突発的な飢饉の項目でも少し触れました、自然災害による影響で食料確保が困難になるケースが少なくありません。WFPの調べでは、食料不足が発生している地域の約8割は、自然災害が発生しやすい条件が揃っているとのことです。

洪水と干ばつについては、近年発生率が上昇していることが分かっており、原因は地球温暖化による気候変動とみられています。

特に赤道直下の国では気候変動の影響は顕著で、海面温度の上昇による雨雲と大雨の増加で増えるエルニーニョ現象に、雨が全く降らなくなり土壌の砂漠化や水源の消滅などの事態が次々と引き起っている状況です。

モノカルチャー経済による収入が不安定

モノカルチャー経済とは、特定の作物だけを作る経済構造を指す言葉です。例えば、とうもろこしとさとうきびの生産量が非常に多い南アフリカです。

途上国では、モノカルチャー経済となっているケースが多いのですが、時に飢餓の要因となります。特定の作物の生産に特化していると、気候変動による不作や資源による影響が生産者の収入に直結します。

その結果、食料を買うことが困難となり飢餓状態に陥る可能性が出てきます。昨今、気候変動の変化が大きくなっていることから、モノカルチャー経済のあり方は今後より安定しなくなるでしょう。

紛争による被害

突発的な飢饉の最たる原因は紛争による被害です。WFPの調べでは、2021年ロシアによるウクライナ侵攻後、約4,000万人の飢餓者が増加したとのデータが出ており、紛争による影響は深刻です。

今なお、イエメンや、シリア、アフガニスタンなどで、最大1,700万人が飢餓状態にあるとの報告が挙げられています。

飢餓の解決策

まず飢餓への解決策を考える前に、「食品ロス」についても触れる必要があります。世界における年間の穀物生産量は26億トンを超えています。この生産量は、世界中の一人ひとりをもれなく賄える量となります。にもかかわらず、食料が行き渡らない原因は日本を含む先進国を中心に発生している「食品ロス」が挙がります。

世界では、十分に食べることができる状態の食料が年間10億トン以上、日本では600万トン以上廃棄されています。

食品ロスの主な原因は、「作りすぎ」「食べ残し」「買い込み過ぎ」「消費期限」などです。飢餓に苦しむ国や地域への取り組みを行いたいと動きたいと考える方も少なくないでしょう。寄付や募金による直接的な支援は素晴らしい取り組みであることは間違いありません。

しかし同時に、今の我々一人ひとりの日常生活において食料のムダはないかを見直すことも非常に重要となります。

最後に個人でも飢餓問題の解決に貢献できる、実践的方法をいくつかご紹介して締めくくりましょう。

・商品を購入するときは消費期限や賞味期限の近いものを選ぶ

・必要以上に買い込まない

・お店では食べきれる量を注文する

・野菜や果物の皮も使えるよう調理する

・傷ありやパッケージ破損などのわけあり商品を選ぶ

・適切な保存方法を把握し、可能であれば冷凍して長期保存する

・フードバンクの利用

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この記事を書いた人

SDGsプロデューサー

企業や自治体が推進するあらゆる分野のSDGsをサポート。新しい視点でのSDGsをプロデュースすることが得意。

野菜ソムリエとして様々な媒体の料理監修やレシピ開発、編集業務に携わる中でSDGsに出会い、その魅力と重要性に気づいてSDGsの勉強をはじめる。現在はデータセクショングループ株式会社MSSで「SDGsプロデューサー」として活動中。

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