2030年までに達成すべき17の目標であるSDGs。SDGsの目標5「ジェンダーの平等を実現しよう」では、あらゆる場所でのすべての女性にあらゆる形態の差別を撤廃することや、政治、経済、公共分野において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保することが掲げられています。

今回紹介するのは、日本政府がIT分野で女性の増加を目指し、Waffleが提言した理工系女性の育成策。
中高生の体験格差解消や女性教員登用を促進し、ジェンダーギャップ解消に努める内容です。
日本政府は、経済財政運営と改革の基本方針2024(通称:骨太の方針)と女性版骨太の方針において、IT分野を含む理工系分野で女性の増加を目指す取り組みを明記しました。
特定非営利活動法人Waffleは、この政策に対する提言を行い、中高段階での理系的体験格差の解消と理工系女性の増加を目指しています。
日本の女子学生の学力はOECD国際学習到達度調査「PISA」でトップレベルにありますが、工学分野の入学者に占める女子の割合はOECD加盟国中最下位であり、ICT関連に関心がある15歳女子の割合も3.4%に過ぎません。
この状況は、ジェンダーステレオタイプやIT分野の仕事へのイメージが不足していること、ロールモデルの不足が原因と考えられます。
Waffleの提言
Waffleは地方を含めた中高段階での理系的体験を増やし、女性教員の登用を促進することを提言しました。
また、政策決定過程への女性の参画を促し、男女別の影響やニーズを踏まえた政策・事業の計画、実施を強化することが提案されています。
その施策は、女子中高生の関心を醸成し、意欲・能力を伸長するための産学官・地域一体となった取組や、大学上位職への女性登用等が挙げられています。
さらに、女性デジタル人材育成に資するインターンシップの普及や、次世代の女子中高生・大学生を対象としたプログラミング教育の機会の提供などが含まれています。
Waffleの活動
2019年の設立以来、女子およびノンバイナリーの中高生・大学生向けの教育事業を推進し、政府に対して制度改革や構造変革の提言を行ってきました。その結果、骨太の方針に理工系女性の育成に関する施策が明記されました。
今後の展望
IT分野でのジェンダーギャップの解消が喫緊の課題であり、産学官が連携して取り組むことが期待されています。Waffleは、全国でのプログラミング教育活動を通じて得た現場の声を元に政策提言を続け、IT分野のジェンダーギャップの解消に尽力するとしています。
このように、日本政府とWaffleの取り組みは、理工系分野における女性の活躍を促進し、ジェンダーギャップの解消を目指すものです。これらの施策が実施されることで、将来的にはより多くの女性が理工系分野で活躍することが期待されます。また、これらの取り組みは、日本の経済成長と社会進化にも寄与すると考えられます。
参考記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000061202.html