2030年までに達成すべき17の目標であるSDGs。SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」では、持続可能な生産消費形態を確保し、資源の効率的な利用や廃棄物の削減を促進することが掲げられています。

今回紹介するのは、環境負荷を減らすファッションレンタルサービス『airCloset』と、企業のSDGs貢献としての取り組みです。ファッション業界の廃棄物問題解決に向けて、レンタルが持つ新しい価値と、持続可能な社会実現への道を探ります。
ファッション業界の環境問題とSDGs
ファッション業界は、世界的に環境負荷の高い産業のひとつです。大量生産・大量廃棄の影響で、衣服の製造過程では多くの水やエネルギーが消費され、大量のCO2が排出されています。また、着られなくなった服の多くは焼却処分され、廃棄物問題を引き起こしています。こうした状況を変えるため、国連のSDGs(持続可能な開発目標)では「つくる責任、つかう責任」(目標12)や「気候変動対策」(目標13)といった目標が掲げられています。特にファッション業界では、これまでの「買って、着て、捨てる」という消費スタイルを見直し、より持続可能な方法で衣服を活用することが求められています。
ファッションレンタルの環境貢献
こうした問題に対する解決策のひとつとして、ファッションレンタルサービスが注目を集めています。株式会社エアークローゼットが提供する『airCloset』は、まさにこの新しい消費スタイルを提案するサービスです。洋服を購入するのではなく、一定期間レンタルし、着終わったら返却することで、無駄な生産や廃棄を減らします。
同社の試算によると、ファッションレンタルを活用することで、通常の販売モデルと比較してCO2排出量を19%、廃棄物排出量を27%削減できるとされています。これはSDGsの「気候変動対策」(目標13)に貢献するだけでなく、「陸の豊かさを守ろう」(目標15)にもつながる取り組みです。衣類の製造過程では大量の綿花や石油由来の合成繊維が使用されますが、レンタルを活用することで新たな資源の消費を抑えることができます。
消費者にとっての新しい価値観
「洋服は買うもの」というこれまでの価値観が、「必要なときに借りるもの」へと変わりつつあります。これは、ミニマリズムを重視するライフスタイルとも親和性が高く、無駄を減らしながらも多様なファッションを楽しめる選択肢として注目されています。
ファッションレンタルのメリットは、環境負荷を減らせるだけでなく、流行に左右されずに「本当に着たい服を選べる」という点にもあります。特に、普段はなかなか手が届かないブランドの服を手軽に試せることや、ライフイベント(結婚式やパーティーなど)に合わせた服選びができるのも魅力です。これにより、消費者はより柔軟で持続可能な方法でファッションを楽しめるようになります。
企業の取り組みと未来への期待
こうした取り組みが評価され、エアークローゼットは「第25回グリーン購入大賞・経済産業大臣賞」を受賞しました。これは、単にレンタルサービスを提供するだけでなく、環境負荷を減らしながら経済的にも持続可能なビジネスモデルを確立したことが評価された結果です。この受賞は、今後のサステナブルファッションの発展にとっても重要な意味を持っています。
今後、より多くの企業がサーキュラーエコノミー(循環型経済)を意識した事業展開を進めることで、持続可能な社会の実現が加速していくでしょう。また、私たち消費者も、環境に配慮した選択を意識しながら、自分らしいファッションを楽しむことが大切です。レンタルサービスを活用することは、その一歩となります。
参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000232.000011623.html