2030年までに達成すべき17の目標であるSDGs。SDGsの目標12『つくる責任つかう責任』では、持続可能な生産消費の確立や資源の再利用を推進することが掲げられています。
今回紹介するのは、田中鉄工株式会社の「Roa(d)cal SDGs Project」です。このプロジェクトは、廃食用油をリサイクルし、地元の道路舗装に活用する取り組みです。
また、地域の小中学校でのSDGs教育を通じて、次世代の環境意識を育む活動も展開しています。
背景
田中鉄工株式会社は、地域で発生する廃食用油をリサイクルし、地元の道路舗装に利用する「Roa(d)cal SDGs Project」を展開しています。この取り組みは、廃食油を重油の代替燃料としてアスファルト合材の製造に活用し、環境負荷の軽減と地産地消を実現するモデルです。具体的には、廃食油の回収から再利用までを地域で完結させ、CO2やSOx、NOx排出の削減にも貢献しています。
小樽市との連携
北海道小樽市では、田中鉄工が小樽アスコン共同企業体と協力し、家庭や飲食店から出る廃食油を収集し、それをアスファルト合材の燃料として使用しています。回収された廃食油は市内の12か所で年間5,100Lに達し、その結果、地元の道路舗装が環境に優しい方法で行われています。また、このプロジェクトは小樽市のゼロカーボンシティ実現にも大きく寄与しています。
地域の共創と教育活動
このプロジェクトには、地域の企業や市役所、学校が共に参加し、廃食油のリサイクルを推進しています。特に小樽市内の小学校では、SDGs教育の一環として出前授業が行われ、次世代に環境意識を育む活動が進められています。今後は小中学校の教育計画にこの内容を組み込み、地域全体の環境意識を高めることを目指しています。
国内での廃食油リサイクルの課題
家庭から出る廃食油の約96%が未リサイクルのまま廃棄されている現状が続いています。このプロジェクトを通じて、地域で発生した廃食油を地元で循環させるモデルが全国的に広まれば、環境負荷の削減や資源の有効活用が進み、循環型社会の実現が期待されます。
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